新型コロナウイルスの影響で、我が子の学校行事などで大きな制限がかかり、以前のように気軽に足を向けられなくなった家庭は多いと思います。
仕方ないとはいえ、参観日などで人数が制限されるのはやはり寂しいもの。夫婦で話し合って行く側を決めるけれど、厄介なのが義実家の存在です。
「自分たちを行かせろ」と迫る義実家の言い分とは何なのか、夫婦でどう対応したのか、実際にあったケースをご紹介します。
「不穏な言葉」で優先を迫る義父(女性/41歳/公務員)

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「この数年は、学校のコロナ対策で参観日も音楽会も家庭から参加できるのはひとりと決まっていて、行事そのものが中止になることも多くて寂しかったです。
仕方ないとはいえ私も夫も学校での娘の様子を見たくて、特にいられる時間の長い参観日は娘が喜ぶこともあって有給を使ってでも参加するつもりでした。
義実家の両親は、学校の対策に文句は言いつつも受け入れていて、『いつかみんなで行けたら』と話していましたね。
その年は1学期の参観日が中止になったせいもあって2学期の参観は絶対に行きたくて、夫と話して私が行くことに決めました。
すると、義父が『めったにない機会だから私たちが行きたい』と言い出して。
ちょうど家族で義実家に遊びに来ていたときで、夫がびっくりして『いや、今回は妻が行くから』と答えたのですが、『こんなときくらい私たちを優先したらどうだ』と強い口調で返されました。
義父は『妻とふたりで行って教室には俺だけが入る』と言うけれど、そもそも校内に入れるのが各家庭ひとりであってそれはできず、夫がそう伝えると『じゃあ俺が行く』と言って聞かなくて…。
言い合いの末に夫がキレて『俺たちだってやっと行けるんだ』と口にしたら、『先の短い親に孝行する気はないのか』と義父も負けじと返してきて、不毛な空気にうんざりした私は娘を連れて庭に出ました。
そんな不穏な言葉で自分たちを優先させようとする義父は、どうしても受け入れられませんでしたね。
『じゃあ俺たちに来てほしいと思っている娘はどうなるんだ』と怒りの収まらない夫の声が聞こえてきて、娘が不安そうな顔をするのがつらかったです。
結局、義母が間に入り今回は私が行って次は義父が参加すると決まりましたが、仏頂面の義父はそれでも『こっちに譲る優しさもないのか』とぶつぶつ言っていて、夫が呆れていました。
義父の気持ちはわかるけれど、私たち親だって娘の参観日に行きたいのは当然で、娘もそれを望むのなら最優先するべきなのはそれじゃないのかと私は思います。
本当なら夫が次回行くのを義父に譲っているわけで、そこを義母は指摘してくれたけれど、納得しない義父とは今後の付き合いも慎重にならざるをえません。
コロナのせいではあるけれど、こんな衝突が義実家と起こるのは本当に悲しいです」(女性/41歳/公務員)
本来なら何人かで参加が可能な参観日も、学校の対策で人数が制限されるのはいまはどうしようもなく、だからこそ「誰が行くか」はより厳選する必要があります。
孫の姿が見たい義父の気持ちは理解できますが、参加する理由に「先の短さ」を持ち出すのは、自分の都合ではないでしょうか。
来る人数に制限があり寂しいのは子どもも同じはずで、中心に考えるべきは子どもの「誰に来てほしいか」、親を差し置いて祖父が来ることを本当に喜ぶかどうかは疑問です。
「普段は娘をかわいがってくれて感謝するけれど、こんなときに自分たちを優先しろと言われてもこっちだってめったにない機会なのだから」とこちらの女性はため息をついていましたが、寿命を言い出すのは不穏でしかなく、筋が違うと感じます。
間をとりなす義母に今回は救われましたが、こんな衝突が尾を引かないよう、義実家とはよりストレスのない距離を考えたいですね。