性自認のカムアウト
自分の性的指向や性自認を他者に伝える、「カムアウト」。
僕の場合、「Xジェンダーである」という性自認に加え、現在「身体の性が同性のパートナーと生活をしている」というふたつがカムアウトの内容になります。
僕は親や友人たち、職場の上司などには「身体の性が同性のパートナーと生活をしている」ことをカムアウトし、両比較的オープンにして生活しています。
しかし自分の性自認に関しては、Xジェンダー当事者として文章を書くなかで出会った友人とパートナー以外にはほとんどカムアウトをしていません。
僕に自分の性自認カムアウトすることは、パートナーと身体の性が同じであることをカムアウトすることよりもずっと難しいと感じます。
「同性のパートナーがいる」ことだけでも受け入れてもらえるかどうか、カムアウトをする際の不安はつきまといます。そこに性自認のカムアウトもするとなると、その不安は倍に…。
僕は倍になった不安に耐えられず、「カムアウトをする際の一番知ってほしいことは同性のパートナーがいること」と自分のなかでの優先順位を決めて話している状況です。
自分の性自認よりもパートナーのことの方がカムアウトしやすい、というのもあくまで僕の場合の話。
性的指向(恋愛・性愛を向ける対象)と性自認、どちらの方がカムアウトをしやすいかは人によって異なり、そもそもで他者へカムアウトをすること自体が不安でハードルの高い行為ということは覚えておいていただけると嬉しいです。
性自認は無理やり変えるものではない
Xジェンダーを自認してからは、かえって女性である自分の身体も少しずつ受け入れることができるようになり、気持ちがとても楽になりました。
平日・休日問わず仕事場での服装含めメンズ服を着て、メンズカットの髪型で過ごしています。この髪型と服装が、僕が自認している性別と違和感のない僕らしい恰好なのです。
もしかしたら僕の髪型や服装で、「なんとなく(心の性と身体の性が一致している)女性とは少し違うかもしれない」と周りは感じるかもしれません。でも僕はそれでいいのです。
たしかにカムアウトをしない限り、その人の性自認はその人にしかわかりません。
しかし、少なからず性自認というものは願望や欲望をかなえるために無理やりに変えるものではないのです。
あなたの性別が、簡単に変わらないのと同様に。
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。