子どもを介して仲良くなるママ友は、園など顔を合わせる機会が多いぶん、なるべくいい関係でいたいと思いますよね。
それでも、親しい人たちでグループができてくると、そのなかで順位のような位置を勝手に決められることもあります。
「ママ友カースト」ともいえる状態は、こちらの気持ちに関係なく上下を持ち込まれるのが窮屈なところ。
カースト下位だったというある女性は、どうやってしがらみを抜け出したのでしょうか。
「子の学力」をひけらかすママ友ボス
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亜紀さん(仮名/35歳)は、息子さんが幼稚園に通っていたころから、あるママ友グループに身を置いていました。
幼稚園では英会話教室などに早くからお子さんを通わせている保護者が多く、亜紀さんも仲良くなったママ友に誘われて書道の教室に息子さんと行ってみましたが、抵抗が激しく諦めたそうです。
勉強より外で体を動かすほうが好きな亜紀さんの息子さんは、サッカーを特に好み、サッカークラブに入ってからは文句も言わず熱心に通っていました。
亜紀さんがいたママ友グループは子どもへの教育に熱心な女性が多く、習い事の数や達成できていることなどで競い合うような雰囲気があったようで…。
「英語でこれくらい話せるとか漢字をこれくらいもう覚えたとか、グループLINEでは子ども自慢が飛び交っていました。幼稚園だしこんなものかと思ったのですが、なかでも『うちは0歳から◯◯の英会話教室に通っている』『◯◯に入会したからもう足し算ができそう』など英才教育を誇るママ友がいて、その人がボスのような雰囲気でグループLINEでも外の関係でも目立っていましたね」
その女性の息子さんは実際に園でも「秀才」と言われるくらい頭がよかったそうで、先生からも褒められることが多かったせいか、「うちの子が一番」と大きな顔ができていた背景があります。
勝手に作られる「カースト制度」
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「そのママ友ボスはグループのなかで勝手に上下をつけるというか、自分と同じくらい子どもが賢い人は側近みたいに大事にして、そうでもない人は『習い事ってお金がないとできないものね』と小馬鹿にしたり、明らかに態度が違っていました」
そう話す亜紀さんは、「うちは算数の教室には行っていましたがそれくらいで、思いっきりカースト下位でしたね」とため息をつきます。
「スポーツばかりやって勉強をおろそかにしたら、ろくな大人にならないわよ」とそのママ友ボスに言われることもあり、“子の教育に熱心じゃない母親”のレッテルを貼られた亜紀さんは、ランチ会や園の行事でも何かと用事を言われることが多く大変だったそうです。
どうしてそんな窮屈なママ友グループにいたのか、抜けられなかった理由を尋ねると、「メンバーはみんな家が近所なんです。普段の買い物でもドラッグストアやコンビニでばったり会うなんてことが多くて…。地域の情報をやり取りするのも当たり前で、抜けてしまうと村八分にされることは目に見えていました」と、身動きの取れない現実について話してくれました。
特にそのママ友ボスは大きな戸建てに住んでおり、地域でも存在感のある一家だったことから、グループ内で逆らうと生活に影響が出そうで怖かったとのこと。
それでも、自分と同じように習い事の数が少ない、園で先生に注目されないことで、「下位」と一方的に置かれているほかのママ友と協力して、何とか波風が立たないようにやり過ごしてきました。