神戸メンタルサービスの平です。ヴィジョン心理学創始者のチャック・スペザーノ博士に師事。プロセスを重視した本格的なグループ・セラピーを開講し、20年以上セラピストとして働いてきました。
きょうは、パートナーに対して本当の自分をオープンにすべき理由をお伝えします。
ふたりの関係は特別なものになっていく
私たちはしばしば偽善的にふるまうことがあります。多くの人からよく見られたいと思うからです。
本当の自分を見られたら、きっと怒られたり、失望されたりするので、いい子にしていないといけないと思うわけですね。
しかし、人を好きになり、交際するためには、告白する必要が出てきます。そのときは、あなたの心に秘めた思いを相手の人に伝えなければなりません。
さらに、交際がはじまったなら、あなたがだれよりも嫌われたくないと思う相手に対し、自分をさらしていくことがパートナーシップの基本となります。
恋愛初期は、パートナーに嫌われないように、できるだけよい自分だけを見せていこうと考える人が多いでしょう。
しかし、長く交際したり、一緒に住むようになったりすると、ふたりの間の隠しごとはどんどん少なくなっていきます。
つきあいはじめたころは、彼の前でオナラすらできないものですが、ふたりの心の絆ができはじめると、本音がいろいろと出せるようになっていきますよね。
これは、「少々のことではこの関係は壊れない」と思えるようになっているからです。
あなたの子ども時代、パパとママはあなたがオネショをしようが、ひどいイタズラをしようが、あなたのことを受け入れてくれました。
それと同じように、パートナーにあらゆる自分を受け入れてもらうことで、そこには安らぎが生まれます。
つまり、愛してもらおうと必死に背伸びしているのではなく、どんな自分でも受け入れてもらえるという信頼が生まれてこそ、居心地のよい関係がはじまるのです。
そうすると、ほかのだれにも言えないことをパートナーとならわかち合うことができますし、だれにも見せていないことをパートナーになら見せられますし、だれともしないことをパートナーとならすることができるようになったりするわけです。
たとえば、性的な自分をパートナーに知られることにはリスクが伴います。「こんな自分を見せてしまうと、嫌われるかもしれない」と思うわけですね。
しかし、だれにも見せない自分をパートナーにはオープンにして見せたり、「こんなことは、あなたとしかしないよ」ということをふたりで共有したりすることで、ふたりの関係は特別なものになっていきます。
ふだん、私たちは外の世界で、いろいろな人に気を遣ったり、自分を押し殺したりしながら生きています。
ですから、どんな自分でも受け入れてくれるその場所には、安らぎや居心地のよさを感じることができるのです。
すると、なにかイヤなことがあっても、「早くおうちに帰ろう」と思ったりします。
子どものころにも、そんなふうに思ったことがあったのではないでしょうか。
家になにがあるというわけではないのですが、自分を取り繕わなくてもいいし、どんな自分でも受け入れてもらえる。そして、居心地がよい場所…それが家であるわけです。
家とは物理的なものですが、そこに存在する人たちが、あなたを愛し、受け入れてくれるがゆえに、安らぎがあって居心地のよい家がそこに生まれます。
そして、あなた自身も、自分を取り繕い、よい自分になろうと背伸びをするよりも、ほかのだれにも言えないことをパートナーにはすべてオープンにコミュニケーションすることが大事です。
そうすると、あなたという人がどんな人か、相手にも理解しやすくなり、愛されやすくなりますよ。
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