コロナ禍で、大正レトロな「鬼滅ネーム」が流行?
2020年、日本列島に旋風を巻き起こした『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴・著)。10月16日に公開された映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、2021年を目前にしたいまもなお、観客動員を増やし続けています。
新型コロナウイルスの脅威、そしてさまざまな不安から、私たちをほんのひと時だけ解放してくれた、そんな作品だといえるのではないでしょうか。
大人から子どもまで、すべての世代の人々を虜にした『鬼滅の刃』。「ソーシャルディスタンス」が叫ばれ、人との交流が希薄になったからこそ、仲間と助け合うこと、自分以外の誰かを守り大事に想うこと、過酷な状況下でもあるべき姿を忘れないことなど、滅私の精神で敵と戦う鬼殺隊員の姿が私たちの心をより一層揺さぶったのかもしれません。
劇場版が公開されてから、コロナ一色だった人との会話に「鬼滅」の話題が加わり、ようやく日常に彩りが戻り始めたような気がします。
そんな状況下だからこそ、コロナ禍中に出産を迎えたパパやママの中には、『鬼滅の刃』の登場人物の名前に光を見出し、「わが子に名づけたい」と思った方もいたのでしょう。
株式会社ベビーカレンダーが発表した「2020年赤ちゃんの名前ランキング」で、水柱・冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)の技と同じ「凪(なぎ)」という名前が24位に大きくランクアップしたことが、今年話題になりました。
また同社が実施した「11月の名づけトレンド」調査でも、「みつり」「玄弥(げんや)」「天元(てんげん)」「実弥(さねみ)」などの“鬼滅ネーム”ベビーが誕生したことが明らかになっています。
しかしSNSなどでは“キラキラネーム”同様、「漫画のキャラクターの名前をわが子の名づけに活用する」ことには賛否両論あるようで、「からかわれるんじゃないか」「子どもがかわいそう」「DQNだ」などといった辛辣な意見も上がっています。
このような声について、漫画由来の名前をもつ当事者は、いったいどう思っているのでしょう。一例ではありますが、今回は『鬼滅の刃』ファンでもあり、漫画由来の名前をもつアラフォー女性の友人・Yに話を聞いてみました。『鬼滅の刃」最終巻のネタバレも若干含みますので、ご注意を!