突きつけられた選択
都内に住む彼女のもとに、子どもたちを通わせる保育園からの「原則休園のお知らせ」が届いたのは、復職予定日の1週間前。下の子の慣らし保育4日目のこと。
そこから葛藤の末に復帰した彼女は、1週間の「子どもがいるテレワーク」を終え、どのような感想を持っているのでしょう。
―復職のスタートが「子どもがいるテレワーク」というのは、何とも大変そうですね。育休延長などはできなかったのでしょうか?
育休を延長させてもらうことも考えました。保育園からは5月末までの入園が可能だという案内があり、会社も育休の延長を認めてくれたので。
ただ、5月末までに規定の日数出勤しなければ、給与や賞与、昇給昇進などの査定に響くということだったので、「テレワークなら何とかなるかな」と思い、復職を決めました。夫もテレワークなので、協力しながら何とかやっていけるかなと思って。
―会社の評価システムにコロナは関係ないのですね。
そうですね、いまのところ考慮されることはないようです。今回は査定を諦めようかなとも思いましたが、これ以上キャリアを中断させ、同期と差がつくよりも、ゆっくりとでも再開させる方がいいかなと。テレワークで育休中の業務の流れをつかむことができれば、出社が再開したときにすんなりチームになじめるとも思いましたし…。
とはいえ、手のかかる乳幼児と幼児をみながら仕事ができるかどうかについては、当初から不安しかありませんでした。
まとまった時間が取れない、仕事が進まない…!
―実際に始まってみていかがでしたか?
想像以上に大変でしたね。
最初、上の子にはドリルなどを与えて、私が仕事をしている隣でやらせようと思っていましたが、「ねーねー、これで合ってる?」「これ、どうすればいいの?」と話しかけられて全然仕事にならないし、すぐに飽きられちゃいました。
公園に連れていくこともできず、家でやることもないからYouTubeの時間が必然的に長くなっちゃって…。なるべく見せたくはないのですが、押し問答が面倒くさくて負けてしまい、何時間テレビつけているのだろうって感じです。
子どもの体力が有り余り、寝る時間も遅くなってしまうのも、私たち夫婦の疲れの要因になっています。すべて自分たちが対応できていないだけで、子どもは悪くないんですけどね…。
―罪悪感も募りますよね…。下のお子さんはどのように過ごしているのですか?
下の子は何でも口に入れちゃうし、ハイハイで目が離せないので、なるべく大きめのベビーサークルを購入しました。危なくないおもちゃをたくさん入れて、そこで遊ばせています。
それでも泣いたりするとすぐに対応しなければならず、離乳食も食べさせなければならないので、時間が取られますね。おむつ交換もしなきゃいけませんし…。
―それだけで1日が終わってしまいそうです…。
はい…。離乳食も普通食も宅配を活用していますが、夫と上の子の食事を3食作らなければならないのも骨が折れますね。まとまった時間が作れず、中断、中断で、一向に仕事が進みません。
仕事においても、休んでいた期間の業務の流れをつかむことに加え、これまでに使っていなかったチャットツールにも慣れず、ストレスフルな1週間でしたすでにコロナ疲れを感じています…。