パートナーに感じる不公平さ
―パートナーはどのようにテレワークを過ごしていますか?
夫はフルフレックスで働いているので、早朝と深夜を仕事時間に充て、日中はWeb会議の出席やメール・メッセージの返信など、急ぎのものだけ対応しているようです。
ただ、Web会議中でもお構いなく騒いでいる子どもに対して、「仕事にならない!」とかなりイラついています。上の子は遊んでいても常にしゃべっていますから…。ふたりして途方に暮れています。
―日中はパパが遊んでくれたりもしているのでしょうか?
遊んでくれている時間もあれば、深夜・早朝の業務に疲れて寝ている時間もあります。
私は業務時間が決まっているので、子どもと同じ時間軸で仕事と育児のダブルワークをこなさなければならず、どちらも中途半端。
私も仕事をするためのまとまった時間がほしいので、夫がうらやましいです。夫は夫の時間軸で仕事をしているし、家事・育児などは分担しているのですが、なんだか不公平感を感じているのも正直なところです。
テレワークの働き方に自由度を
―業務時間が決まっているのは働きづらそうです。会社に相談は?
復職したばかりで、到底できそうにないですね。しんどいアピールもできないし。誰かほかのママ社員が声をあげてくれないかな…。
このままでは仕事時間が細切れなのに加え、時短勤務なので、成果が出せそうにありません。なんのために復職したのやら…。
―「子どものいるテレワーク」をするために、何か工夫をしていますか?
いえ、まだ見つけられていません。ネットで子どもをみながら在宅ワークをしている人の記事を読んだりしても、うまくやっている人たちはみんな親のサポートがあったり、働き方の自由度が高かったりしますよね。
わが家も夫がフルフレックスだから、まだ何とかなっているのかもしれませんが、こんなにも「子どものいるテレワーク」は働きづらいものなのかと愕然としているところです。
そんな私も、これまでまわりのフリーランスママや自営ママに対して、「子どもをみながら家で仕事ができるなんてうらやましいな」「通勤がないからラク何だろうな」なんて漠然と思っていたのですが…。とんだ勘違いで、いまとなっては申し訳なく思っています。しばらくは「子どものいるテレワーク」を手探りでやっていくしかないですね…。
「子どものいるテレワーク」は、ただ場所が変わっただけ?
フリーランス歴6年の筆者は、在宅で仕事をしながら、ふたりの男児の子育てと仕事を何とか両立してきました。でもそれは、子どもの預け先があってこそ。
いまは業務のボリュームを調整しながら、日中は子どもたちのために時間を使い、子どもが寝たあとや起きる前の時間を使って仕事をしています。いまほど自由度の高いフリーランスという働き方をしていてよかったと思ったことはありません。
半ば強制的に始まった「子どものいるテレワーク」。新型コロナにより働き方改革が進んだという声も聞きますが、いま多くの人が実践しているテレワークは、ただ「仕事をする場所を変えただけ」のようにも思えます。
ダイバーシティーや働き方の多様性を推し進めるためには、ひとりひとりの置かれた環境に適した働き方を社会や企業が用意する必要があるのではないでしょうか。
今回ふたりのママから感じ取ったのは、「何とかなる」のではなく、「必死に何とかしている」姿でした。「自分たちよりも大変な人がいる」「自分たちよりもリスクに耐えている人がいる」そんな風に自分を鼓舞し、仕事にならない環境のなかで四苦八苦しているママ、ひいては親たちに、社会や職場がやさしい目を向けてほしい。真の働き方改革が進むといいなと思います。
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