犬は「反省しない」?
人間の概念でいえば、目に見えない「愛」だの「情」などと、もっと抽象的なものがあります。その「愛」だの「情」なども、「言葉」にして表現される…ポエムや歌、芸術というものも、人間独自の概念に過ぎません。
なのに!です。人は犬と語り合おうとする。以前メルマガにも書いたことがあると思いますが、とあるテレビ番組で「反省する犬」としておもしろ動画が流されていました。
飼い主の留守中に、家のなかのものを破壊したり、盗み食いしていたり(うちの犬もやります)、それらを咎めたときに犬が見せる表情…。
YouTubeにも、いくらでも転がっています(「GUILTY DOG」と検索すると、たくさん見つけることができます)。その番組で紹介されていた犬、ボクサーでした。私もボクサー犬のマックスという犬を飼っていたのでその動画を見たんですが、その犬は飼い主の留守中にいたずらをしておりました。
咎める飼い主に対して、無視する態度を見せる犬、目線をそらし、そっぽを向く。とても愛らしく動画に映っておりました。そしてその動画をみた番組のコメンテーターが「反省してますね~」なんていって笑っていました。
でもその後、この犬の行動に対して「専門家の意見」として、どこかの「犬のトレーナーさん」の解説がありました。その方、はっきりといっておられました。「反省はしておりません!」と。
その通りなんです。犬は「反省」はしません。「起きてしまった出来事」を「省みる(かえりみる)」、そして「己の行動」を「悔い改める」などという能力はありません。
過去の自分の言動やありかたに間違いがなかったかどうかよく考える、自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えるなど、できやしません。
ただし、いたずらを飼い主に咎められ、叱られる犬は、「叱られているかも?」を感じることができます。というより、飼い主が「機嫌が悪い」ことを理解しているのです。それは先ほど前述と同じです。言葉の通じない人間同士でも、相手がどう感じているか?相手の「喜怒哀楽」に対して察することができるのですから。
叱られたマックスが目線を反らすのも、決して飼い主を無視しているわけではなく、反省しているわけでもなく、視線を合わせないことで飼い主の怒りを避け、穏便に平和的にやり過ごそうとしているだけなのです。
犬には5W1H、あるいは7W2Hが「不必要」である、その理由は「犬が点で生きている」からなのです。時間の経過に意味を持たせるために「人間の概念」があるのです。そう考えると、犬との対話など、物凄くシンプルで簡単なわけです。詳しくお伝えしましょう。