時間って、いい波に乗って前向きに人生を活きているときはあっというまに過ぎ去っていくのに、あとから振り返ると、なんだかすごいゆっくり流れていっている感じがするんですよね。
ところが最近は、「まだ水曜日なの?」という感じで、1週間がなかなか過ぎていかないのに、振り返ってみると「えっ?もうあれから1週間も経ったの?」なんて感じです。
みなさんは、どうですか?わたしが腐ったサラリーマン生活を送っていた35歳〜40歳くらいのときもこんな感じで、そのころは毎日がとっても長く感じていたのに、振り返ってみると、何をしていたのかまったく思い出せない空白の5年間なんです。「もしあのまま残りの人生を過ごしてしまったら…」と考えたら、恐ろしくなってしまいました。
そこで今回は、自分も原点にかえるつもりで、仕事もプライベートも充実しとても毎日を楽しく過ごしていたころにトルコ出張で出会ったJさんについてお話したいと思います。
彼は35歳の若さで、トルコ最大手のパスタメーカーの輸出責任者となり、毎日運転手付きの車に乗って通勤、お休みの日は、夏はダイビング、冬はスキーを楽しむエリートでした。
そんなJさんとの会話から得た、「時間の流れをゆっくり充実したものにする」という成功者たちの習慣についてお伝えしていきます。
「どうして将来のことを気にするの?」
35歳という若さで、トルコ最大のパスタメーカーの輸出責任者となり、運転手付きの車で送迎される身分となっているJさん。彼とはフルに2日間、いっしょに仕事をしたり、食事をしたりして、いろいろ個人的な話を聞くことができました。そこで、彼の将来の夢を聞いたのです。
すると、彼はなんのためらいもなく、「50歳で引退すること!」といいました。「引退したら何をするの?」と聞くと、またためらいなく「とにかくビジネスの世界からは引退して、あとは好きなことだけして楽しく暮らしたい」というのです。
「いまの仕事が嫌いなの?」と聞くと、「嫌いなことをあと15年もできるわけはないでしょう。仕事も好きだけど、もっとほかにもやりたいことがあるんだよ」と返ってきました。
彼は、「好きなところに行って、スキー三昧とか、ダイビング三昧とかって、身体が動くうちにやっておかないと、楽しくなくなっちゃうじゃない。だから、とにかくゴールを決めて、いまの仕事は50歳まで。それ以降は、身体が動く限り、スキーやダイビングで楽しく暮らしたい」と、きっぱりというんですね。
「かっこいい!」と思う反面、「もしかしてトルコって老後の生活を約束されてるの?」と思い聞いてみると、どうやらトルコという国は、政府の仕事でもしていない限り、退職金も微々たるもので、年金もほとんど期待できないというんです。
だから、彼らは最初からそんなものは期待していない。じゃあ、そんな楽しいことばかりして、お金がなくなったらどうするんだろうと思いますよね。
すると彼は、「普段から好きなことしてれば、いざというときにそれで食べていけるんじゃないかな。スキーやダイビングのインストラクターをやって食っていってもいいし、もしそれでもだめなら、またビジネスの世界にもどってきてもいいし。それに、普段から仲間を大切にして、家族や親戚を大切にしていれば、いざというときだって、なんとかなるんじゃないかな」と。