27歳、初めての失恋
ズタボロ。この単語が似合う人は世界中に私しかいない。そんな思いで花火大会に向かう幸せそうな人々の流れに逆走しているとき、「こんな花火大会なんて雨で中止になってしまえばいいのに。こんな思い出のある花火大会なんて…」さっきまで空が溜め込んでいた雨を吸収してしまったかのように大粒の涙が洪水のようにあふれ出していました。
初めての失恋でワケがわからず、その後の2週間はカオス状態。
「結婚直前までいってできないって…私そんなに無能で、かわいげもないのだろうか」「遠距離が嫌だったのかな?でも最後まで留学に向けては背中を押していてくれていたのに」「あんなに楽しくて幸せな日々はもう過ごせないんだ…」
さまざまな疑問と思い出の回想が頭をめぐり、現実が受け止められない状況が続きます。
仕事中もふと気づけば涙がぽろり。ショックのあまり食事が喉を通らず、1週間で5kg減。友達になぐさめてもらうも、毎回号泣していました。
そんなときに、「待って。それまだ終わってなくない?ちゃんと彼の別れの理由を聞いてないよ。結婚できないって、かなりそれって失礼だし、雑だし、深層にはきちんと原因があるはず。逆にそこを知らないと、今後の恋愛も、ましてや目の前に迫る留学もなぁなぁになるんじゃない?大事なことに関してはしっかりとコミットしないと!」と友人の冷静かつ的確なアドバイス。ズタボロな私はもう一度彼に会ってみることを選択しました。
別れの本当の理由
別れたてホヤホヤのカップルが1週間後に再会する以上に気まずいことはありません。重い腰を上げて会いに来てくれた彼にも、感謝しなければなりません。
「結婚できないっていわれて、相当ショックで。花火大会の日はきちんと話ができなかったから、今後私が次のステップにあと腐れなく進むためにも、少し時間をくれない?」
ヨリを戻すためではなく、気持ちをスッキリさせたい旨を伝えたうえで、再会にこぎ着けました。
「突然別れを切り出してごめんね。もうこれ以上きれいな思い出を作りたくなくて、花火大会に行く前に話をしたんだ。お前のことを嫌いになったわけでもないし、特にこれといった理由はないんだ。俺も事業で相当忙しくなるし、どちらかといえば、なんていうか…タイミングかなって」
「特に理由なく別れるってどういうこと?」という疑問が頭のなかで駆けめぐりました。それで、「じゃあもしかして私が海外に行かなければ、まだこの関係って続いてたかな?」と問うと、「それはもちろんでしょ!」と。
「会社で責任のある立場である以上、近くで支えていてくれる人がいないと正直、俺がもたないんだ。1年以上の遠距離恋愛と社員の幸せの両立を叶える自信が正直なかった。この答えを自分のなかで出すのに、結構時間はかけたよ」