スピリチュアル界では、約200年続いた「土の時代」が終わり「風の時代」に突入するといわれている、2020年。それをなぞるかのように、私たちは新型コロナウイルスによる生活の変化に対応し、さまざまな制約下での生活を強いられた日々を送ってきました。
そんな激動な日々のなか、めったに更新されない彼女のFacebook投稿に目を奪われました。
「ニューヨーク大学に入学しました」
それ以上でも以下でもなく、ただただそこにポストされたシンプルな事実。
今回は逆境のなかで、強い芯を持って夢に向かい走り続けるアラサーの彼女にフォーカスします。このノンフィクションストーリーが誰かの背中を押すことを願って。
できるの留学?コロナ渦中のニューヨーク
誰もが口を揃えて美人と唱える高校の同級生、 Momo(仮名)。久しぶりの近況報告がよい意味でぶっ飛んでいて、思わずテレビ電話の通話ボタンを押していた。
ライター小野澤(以下、O):え、待って。いまニューヨークにいるの?というか、このコロナ禍で留学ってできるの?しかも芸術系の大学院って?大学の専攻は法学系だったよね?それにダンナさんを2年日本に置いて?…なぜこのタイミングで渡米したの?そしていまのニューヨークの治安って大丈夫?いまはどこに住んでいるの?
画面越しに映る彼女に大量の質問を浴びせながらも、「やっぱこの子最高だわ」と目をキラキラさせてしまった。
Momo(以下、M):あはは。そうなのよね、実は今年の8月からこっちに来ていて。このコロナ渦でも学生ビザは問題なく降りて留学可能だったの。New York University Tisch School of the Artsに入学しました!いまはマンハッタンのアッパーウエストに住んでいるよ。
O:えぇ!?アッパーウエスト地区ってロバート・デニーロやセレブたちが住んでいるよね?富裕層が住むNYのマンハッタンに住むだけでもすごいのに。完全に映画Sex and the Cityの世界に行ったようだね。うわぁ家賃高そう…。
M:それがね。4月のロックダウンの影響を受けて多くの企業がテレワークに移行した背景から、マンハッタン中心部の在住者が一斉に郊外に引っ越したの。つまりは都市部の不動産の価値が急落していて、実質東京よりも安い家賃で入居ができたんだ。そこはある意味でコロナによる環境変化の恩恵を受けたかも。
それと同時にNYの人ってみんな切り替え早いなって思ったのと、やっぱりお金を持っているんだなって思ったよ。ライフスタイルの変化にスピーディー対応して、物件を探して引っ越してって。羨ましい限り。
O:東京も地方に移住する人は以前に比べて多くはなったけど、都市部から離れる人の数は格段に違いそうだね。日本は諸外国のように法的措置を引いたロックダウンを行なっていなかったのも背景にありそうだけど。街の雰囲気も、外国人は減ったものの、オフィス通勤者はかなりの数いるし、東京はそこまで変わった印象はないよね。
M:NYはガラッと印象が変わってしまっているよ。飲食店は店内収容客率を25%までに設定されているのと、そもそもツーリストがいないから、観光名所であるタイムズスクエアは以前と比べて信じられないほど静か。それにプラスして、さらに治安が悪くなったといわれている。
コロナによる大幅な失業率の悪化やアジア人差別の激化、今年5月ごろから活発になったブラックライブズマターの集会で人々が暴徒化しやすくなっていたりと、いまは街を歩くときはかなり気を張っている状況だよ。治安の安定を求めて郊外に引っ越した人も大多数いるんじゃないかな。
O:新参者はウェルカムな環境ではなさそうだね。そんななか、この単身留学を決行したきっかけ、よかったら詳しく教えて!