理想はサザエさんの磯野家?・O夫妻の場合
令和版・亭主関白な夫と従順な妻
O夫妻はともに筆者と同じ中学の同級生。夫は妻に一目惚れし、何度も告白したけれどフラれ続け、27歳のころに付き合うと同時に同棲を開始。29歳のときに結婚し、2人の子どもを授かりました。
筆者から見ると、O夫妻は「ちょっぴり亭主関白な夫とそれに従う妻」。彼女だからこそ、彼とうまく夫婦関係を築けているんだろうなと思う部分もありますが、彼の彼女への愛情はホンモノ。彼女もそれを理解しているから、時々ぶつかりながらも彼を受け入れ、強い絆で結ばれているのだと感じます。
そんなO夫妻の妻・Yさんに、クセの強い彼との結婚を決めた理由を聞くと、「彼の持つ“変わらないもの”への信頼、かな。収入や見た目、そのとき置かれている環境といった“変化するもの”ではなく、基本的な考え方や物事への向き合い方、他人への接し方といった、“彼の本質”ともいえる部分に共感したから。付き合ううちに、彼が大事にしている内面的なものに惹かれるようになっていった」と答えてくれました。そしてこうした彼の持つ本質への信頼は、いまも揺らがないといいます。
「“自分はこう思う”“自分はこうしたい”が強くてワガママだなって思うこともあるし、“オイ!”“アレ!”と指示してきたりしてイラっとすることもあるけれど、一周回って結婚したのが彼でよかったと思う」というYさん。Yさん自身が大切にしたいポイントを夫がもともと持ち合わせていたからかもしれません。
そんなYさんに、夫婦円満の秘訣を訊ねると、「磯野家のフネさんのように振る舞うこと」という答えが。
「ある日、実家でサザエさんを見ているときに、『うちの夫って波平さんに似ているかも…』って思って(笑)。わが家は基本的に夫が舵を取っているし、家事・育児は妻が基本的にやるものだと思われている節はある。子どもが曲がったことをすると怒鳴るし、気難しいところもあるけれど、情に厚いし、すごく家族思いだなと。
だから私はフネさんのように、夫をあたたかく見守っていればいいのかなって思っている。もちろんフネさんみたいに完璧に家事をこなすことはできてないし、時にガツンと言いすぎたかなと思うくらい苦言しちゃうこともあるけれど(笑)」
亭主関白気味の夫に対し、フネさんのように振る舞う…そんなのゴメンだ!という方もいるでしょう。しかしYさんにとっては、それが心地よい夫婦のあり方でストレスには感じていない様子です。いくら亭主関白とはいえ、相手の要求ややり方を受け入れるだけではなく、自分の意見をしっかりと伝えられていることもうまくいっている理由なのでしょう。
ただ、「夫婦円満のために、カラダの相性や夫婦間の触れ合いは大事だと思うか」という質問には、「大事だと思うけど…」と少し困惑しながらこんなことを話してくれました。