「ふたりで向き合う」のも絆(女性/44歳/小売業)
「若いころは体力自慢で通した夫も、45歳になったいまは自分で『枯れてきたかも』と言うほどベッドで持続せず、悩んでいました。
私は『抱き合えるだけで幸せだから』と言うのですが、『それはうれしいけど、これは男としての問題だから』と返されて、女性にはわからない苦しみなのかもしれないですね。
バカバカしいと思いながらも、ネットの記事に出ている精力剤の広告を見せて、『こういうの、試してみる?』と軽い調子で言ったら夫がその気になり。
大きいドラッグストアにふたりで行き、精力剤が並んでいる棚であれこれと物色するのは、恥ずかしいけれど新鮮でした。
いまも覚えているのは夫が『こういうのを飲まれるのは、イヤじゃないの?』と尋ねてきたことで、そこまでして迫ることに疑問があったのかもしれません。
『私は全然イヤじゃないし、あなたが楽しんでくれるなら』と返していろいろと試しています。
おもしろいのは女性用のものもあることで、冗談で『私も飲んでみようかな』と言いながらふたりで笑っています。
正直に言えば効果はよくわからないけれど、それよりも夫がその気になっている姿を見るのが幸せですね」(女性/44歳/小売業)
欲の低下に体力の衰えは、男性のほうがより深刻に受け止めるもの。男としての自信は、己の不甲斐なさに加え妻への申し訳なさからも奪われます。
そんな状態を、責めるのではなく「一緒に何とかしよう」と考えてくれる妻の姿は、夫にとって何よりの安堵。
「まさか精力剤のコーナーに行くことが人生であるなんて」とこちらの女性は笑っていましたが、そんな時間を共有するのもふたりの愛情を深くすると感じます。
押しつけがましさではなく自然に提案してくれること、またそんな自分の状態を受け入れてくれる妻がいたら、回復に結びつかなくても心の自信を取り戻せますよね。