こんにちは。メンタルトレーナー&心理カウンセラーの吉田こうじです。大人になってもあなたを苦しめる『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』を連載しています。
【連載】『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』
【1】「生きづらさ」の根本にあるものは…?私の幸せを阻む「毒親」の呪縛
【2】私は「毒親」育ちだったのか?いま、生きづらさの原因を考える30の質問
【3】親の不仲も不機嫌も「自分が悪いせいだ」と思って育った、毒親育ちの人へ
【4】毒親に言われ続けた「あなたのため」。その支配から抜け出すための、はじめの一歩
本記事内に登場する「毒親」とは
子どもに対する拒絶、侮蔑、無視、過干渉、虐待などによって、子どもの心身に罪悪感、劣等感、不安感。過剰な義務感、不足・欠乏感、羞恥心、無価値感などのネガティブな思考や感情を継続かつ執拗に植え付け、それによって子どもを「自分の所有物」かのようにコントロールする親のこと。また、「親」とは実の親のみならず、「親代わり」の身近な人も含めます。
彼女の結婚生活が続かないワケ
今回は「大人になっても続く毒親の呪い」について、クライアントのAさんの事例から掘り下げてみたいと思います。
昔から破滅的な人間関係をなぜかいつも繰り返してしまうというAさん(女性)。3回目の結婚で結ばれたいまの夫とも夫婦仲は険悪になり、離婚する予定だとのこと。
Aさんと話していく中で、彼女の心の中には父親に対する「神格化された父親像」とともに、「マグマのような激しい怒りと不信感」が心の中にずっと溜まっていて、その怒りの吐口を恋愛相手にぶつけてしまうというパターンを繰り返していることにすぐに気づきました。
どういうことなのか、ここで少しAさんの背景をお話ししましょう(個人情報は話の趣旨が変わらない程度に脚色しています)。
繰り返される裏切りと別れ
幼いころのAさんの両親は共働きで、看護師をしていたお母さんは日勤、夜勤などシフトがあるため、あまりお母さんと遊んだという思い出はないそうです。その代わりに休日はよくお父さんに連れられて遊びに出かけたそうです。
しかし、ある日を境に両親のケンカが増え出し、結局、お父さんが家を出る形で離婚したそうです。
のちのち、お父さんの浮気が原因だと知らされましたが、Aさんは当時、「お母さんが仕事ばかりで家にいないのが悪い。お父さんがかわいそうだ」と心の中ではお母さんを憎みつつも、お母さんに頼るしか生きていけない自分を呪ったそうです。
その後、お父さんとは会うことも話をすることも一切なく、お母さんは養育費ももらえないまま、女手ひとつでAさんを大学まで卒業させます。
卒業後、Aさんは社会人になり、数年後に職場で知り合った人と結婚しますが、最初の結婚生活は3年で破綻します。その後、パート先で知り合った男性と再婚するのですが、この結婚生活も5年続きませんでした。
そして、現在離婚を考えている夫との結婚は現在2年目を迎えたばかりなのですが、すでにガチガチに冷え切った状態なのです。
これまでAさんが学生時代を含めて男性とお付き合いした相手はみな、Aさんの言葉を借りるなら「最初はとてもうまくいっているのに、なぜかみんな、途中で私が我慢できないようなことをするのです」。
- 実は浮気癖があった。
- 実はギャンブル癖があった。
- 実は浪費癖、借金癖があった。
- 実はアルコール依存だった。
- 実は拘束癖があった。
こういう相手を不思議と選んでしまうのです。
Aさん曰く、「最初から全然知らなかったというわけでもないのですが、まさかここまで酷いとは思っていなくて、完全に私が騙された形なのです」とのこと。
それで、あれこれと激しいバトルを繰り返したのち、Aさんから男性が去っていくというパターンを学生時代から繰り返していました。