義弟の気持ち悪い行動
義弟は、私が娘と一緒にお風呂に入っているのをしきりに覗こうとしてくる。「手伝うことありますかー?」と言いながら、ドアをあけようとするのだ。
すりガラス一枚隔てた向こう側で、大和がニヤニヤしながら浴室の様子を観察している。
それがあまりにも気持ち悪くて、最近は大和がバイトから帰ってくる前にお風呂を済ませるようにしていた。バイトが休みの日は、地獄だ。
洗濯ものを干していれば私の下着をじっと見つめてくるし、夕食の準備をしていれば背後にぴたりと張りついてくる。気味が悪くて仕方なかった。不快感しかなかった。
「本当無理なの、気持ち悪くて吐き気がする。頼むから、出てけって話してくれない?」
「うーん…仕方ないな…」
渋々夫は了承してくれたものの、そんな簡単に義弟が出て行くわけがなかった。むしろ事態はさらに悪化した。
「ねぇ沙耶ちゃんさ、ひどいんじゃない?うちの弟は困ってんの。わかんない?」
義弟に出て行ってほしいと夫が話した次の日、義姉が家に乗り込んできたのだった。
「ちょっと待ってくださいよ…じゃあお義姉さんのおうちに住まわせたらどうですか?我が家はもう無理です」
「はぁ?うちには赤ちゃんがいるの!無理に決まってるでしょ!」
「だったらうちだって凛がいます。状況は同じじゃないですか?」
「融通の利かない女!ホント冷たい嫁だね、信じられない。アンタさぁ、なんでこんな女と結婚したの?」
義姉は黙って聞いていた夫に話を振り出す。
「あーごめん…。沙耶、お前が折れたらこの話は終わるんだからさ、頼むよ」
夫は義姉に頭を下げ、私に声をかけて来た。我慢しろ、と遠回しに言われている。
「これ、契約書。サインして」
義姉は突然「契約書」と書かれた紙を差し出してきた。
「大和の面倒を見ます、って内容。条件は家賃を払うことね、お金さえもらえればできるでしょ?いつだかさぁ、言ってたじゃん。ボランティアはできないとかなんとか。じゃあお金があればいいんだよね?」
「それは仕事の話で、これは仕事とは無関係じゃ…」
義姉のありえない言動の数々に、私はただただ驚くことしかできなかった。
- image by:Shutterstock
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。