国際結婚にまつわる「ビザ」問題
いまや身近になりつつある国際結婚。
グローバル化が進む昨今では、結婚相手が外国人、または海外在住の日本人というパターンも増えています。
海外に住んでいればほぼ必然的に国際結婚となりますが、相手の国籍がなんであれ、大きく絡んでくるのが「ビザ」の問題。
海外の国に滞在するには、何かしらのビザが必要です。永住につながる可能性があるビジネスビザ、投資ビザなどは高度なスキルや莫大な資金が必要になってくるのに対し、ふたりの愛さえ証明できれば永住権が取得できるパートナービザは、悪用する人も多く、近年問題になっています。
私が住むオーストラリアでも、偽装結婚によるビザ取得を取り締まるべく年々審査が厳しくなり、永住権または市民権保持者に対するパートナービザの発行は、基本的に一生のうちに2回まで(諸条件によりそれ以上も可能な場合もあり)。
そのため、場合によってはふたりで住む国を変える、最悪の場合別れるという選択をすることも…。
そんななか、出会った初日に海外に住む男性との結婚を意識して語学力ゼロのまま、日本でのキャリアを捨てて渡豪してきた友人がいます。
お相手は、オーストラリアの永住権を持つ日本人。「ビザモク(ビザ目的)に敏感になりすぎて恋愛から遠のいていた」という彼が、出会って1週間で彼女との結婚を決めた理由とは…?
・トオル
10年前にオーストラリアにワーキングホリデービザで渡豪。その後ローカル企業に就職し、永住権を取得。
・チカ
在豪歴3年。日本では会社員として働き、オーストラリアに渡るまで海外経験は片手ほど。トオルと出会って8カ月後に移住し、その3カ月後に結婚。
・ライター ichikobitto(以下、ライターi)
今回のライター。現在パートナービザの申請準備中。趣味のダンスでチカと出会い、パートナーが日本人同士ということで、恋愛相談をする仲に。飲みながら永住者あるあるを聞いて今後の恋愛の参考にしている。
永住権への道のり
ライターi:きょうはトオルさんとチカの結婚までのストーリーを聞かせてください。まずはトオルさんがオーストラリアに来たきっかけと、恋愛や結婚に疑心暗鬼になっていた時期についてうかがってもいいですか?
トオル:オーストラリアへ来た流れは、26のときにワーホリ(ワーキングホリデービザ)で。始めはちょっと海外生活したいくらいの気持ちで来たんだけど、すぐにこの国の気候や自然豊かなところが気に入っちゃって、ここにずっと住もうって決意したんだ。
それで働いていた会社に猛烈にアピール。会社にサポートしてもらってビジネスビザを取得した後、永住ビザに切り替えていまに至るよ。
ライターi:永住権への道って本当に大変ですよね…。
トオル:俺が取ったときは、いまほどではなかったけど、それでもなかなか厳しい条件だったね。特にビジネスビザを取得するためには、会社が申請費用を負担したり、煩雑な申請を進めなければならないから、それに見合う人間でいられるよう、常にプレッシャーと隣り合わせだった。
あとは運がよかった。会社が人材を求めるタイミングと、ここでずっと暮らしていきたいという俺の希望がちょうど合致しなければ、ビザの申請までには至らなかっただろうしね。
ライターi:永住につながるビザがほしくても、取得できずに帰国する人がたくさんいますもんね。よく永住者はモテるっていわれていますけど、恋愛事情はどうでした?