配偶者との離婚話がこじれてしまい進まないとき、利用できるのが離婚調停。
家庭裁判所で誰でも申し立てができる離婚調停では、離婚の意思の確認や財産分与、別居しているなら婚姻費用についてなどの話し合いが可能です
片方がお子さんを連れて別居している場合、調停中の面会交流についても早い段階でやり方を決めることが多く、裁判所での決定なら相応の強制力があります。
調停で争っている配偶者と子どもを交流させることに悩むかたは多いですが、うまくいっている人はどんな方法で進めているのか、ご紹介します。
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調停と面会交流は別として(女性/40歳/セールス)
「元夫とは、いわゆる性格の不一致で離婚しました。
仕事をがんばりたい私ともっと家庭に尽くしてほしい元夫と、何回も話し合ったのですが『女のくせに、仕事より家庭を大事にするべきだろう』という元夫の発言に耐えきれず、一人娘を連れて別居しました。
元夫のほうが同居に戻ることを求めて調停を申し立て、私が相手方として家庭裁判所に呼ばれたのですが、そのときは完全に離婚の決意が固まっていた私と『妻なら』『母親なら』と役割ばかり押し付ける元夫では、話し合いは進まなかったですね…。
元夫が娘に会いたがったため面会交流について決めることになり、私からは『日程や内容などはLINEで話し合うけれど、それ以外のことは話題にしないこと』の約束を求めました。
離婚については調停の場でだけ進めること、面会交流の機会に調停の内容を持ち込まないことが私の望みで、調停委員も賛同してくれてほっとしました。
渋ったのは元夫で、『そこまで分けなくても』と突っぱねたのは娘との面会交流を機に私と個人的なやり取りをしたかったのではと思います。
その空気を調停委員のかたも感じたのか、『面会交流はあなたとお子さんが過ごす場であって、離婚の問題とは別ですよ』と話したそうです。
元夫は娘のことはかわいがってくれていたので、面会交流について大きな不安はありませんでしたが、それを利用して私に離婚を諦めさせようとするのは筋が違うと思いましたね。
面会交流の設定を私が拒否しなかったので、調停はこちらを先に進めようということになり、元夫の希望を聞いて娘の気持ちを確認し、月に2回会うことが決まりました。
私と元夫が不仲であることを同居しているころから感じていた当時8歳の娘は、『お父さんに会える』とわかって喜んでおり、それを見ると心が痛くなりましたね…。
娘のためにも面会交流は大切にしたくて、調停では『会っているときに調停の話を娘には絶対にしないこと』を元夫に約束させました。
面会交流の条件について私のほうがかなり譲歩したため、調停委員のおふたりが元夫を『奥さんとの離婚についてお子さんを巻き込むのではなく、父親としての時間を大事にしてほしい』と説得してくれて、本当に助かりました。
そのおかげもあってか、LINEでは本当に面会交流についての話題しか元夫は振ってこず、遊びに行く場所や帰る時間なども守ってくれて、顔を合わせたときは普通の様子を保ってくれてよかったです。
調停のほうはそれから半年ほどかかって何とか離婚が成立し、面会交流のほうはいまもそのときの取り決めで順調に進んでいます。
元夫とは会ったときも個人的な会話をすることはないですが、娘のためにも、面会交流の時間は大切にしてほしいですね」(女性/40歳/セールス)
面会交流は、「片方の親と離れて暮らす子どものための時間」とも言えます。
進めるにはどうしても配偶者と話す機会が生まれますが、それを離婚をやめさせるために利用するようなことは、誰にとってもいい結果を生みません。
「LINEでは面会交流についてのみ話す」と決めるのは問題を分けるためで、また子どもたち主体の時間を大切にする姿勢でもあると感じます。
本当に我が子を大事に思うのならば、夫婦の問題に巻き込むのではなく、面会交流は自分と過ごす貴重な機会なのだと捉えるのが正解ですね。