「許す」「癒す」の3つの視点
僕は「許す」「癒す」ということには、3つの視点があると考えています。
ひとつ目は、「罪を償わせてやる!」「もっとひどい目に合わせてやる!」といった“報復”の誓いを立て、それに自分の大切な人生を使うことはまるで無益なことなのだという視点から、自身の抱えている怒りと向き合ってみるというもの。
ふたつ目は、「こんなにも激しい怒りを抱えているのは当然で、それには理由があるし、怒っているのはしょうがない…」と、いい意味で“開き直る”という視点を持って、末長く怒りと付き合うことを覚悟する視点から怒りと向き合ってみるというもの。
そして3つ目は、失礼を承知であえて毒づいた表現をするのなら、「私の親はどうしようもないクズでダメで最低最悪な親だ。そんな親に、いまさら何を言っても時間の無駄で、何を言ったところでどうせあのダメな親は何も変わらない。なので、最低最悪の親のままでいいから、私には今後一切かかわらない」といった感じで、ある意味、“親の存在をなきものにする”という視点から怒りと向き合ってみるというものです。
次回は、これらの3つの視点についてさらに掘り下げながら「許し」について考えてみたいと思います。
次回の『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』は2021年11月3日公開予定です。
【連載】『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』
【1】「生きづらさ」の根本にあるものは…?私の幸せを阻む「毒親」の呪縛
【2】私は「毒親」育ちだったのか?いま、生きづらさの原因を考える30の質問
【3】親の不仲も不機嫌も「自分が悪いせいだ」と思って育った、毒親育ちの人へ
【4】毒親に言われ続けた「あなたのため」。その支配から抜け出すための、はじめの一歩
【5】わけもなく不安になる。毒親育ちが無意識の苦しみを手放すためのワーク
【6】人が怖い、居場所がない、価値がないetc…毒親育ちの持つ悩ましい感覚
【7】私は何をやってもできない人だ。毒親育ちの悩ましい思考の手放しかた
【8】だから僕は、人が怖い。毒親育ちが「生きづらい」人生から抜け出すまでの道のり
【9】離婚したのは、僕のせい?「親の離婚」で傷ついた心の癒し方
【10】それって本当に子どものため?親の「責任」と「過干渉」のボーダーライン
【11】家庭内につくられたヒエラルキー。子どもを弱者に仕立て、支配する親たち
【12】対人関係がシンドイ。側から見ると順風満帆な彼の人生が“難あり”なわけ
【13】支配的な父親に従ったエリート役員の人生が、中年期に危機を迎えたわけ
【14】父親のDVは家族だけの秘密。なぜ毒親家庭は崩壊していくのか?
【15】愛情と苦痛はワンセット。大人になっても抜けない毒親育ちの思い込み
【16】いい親子関係を築けなかった子は、友人関係や恋愛でつまずきがちなのか?
【17】親に“いい子”の期待を押し付けられた子は、なぜ人生につまづいてしまうのか?
【18】家族のからかいがイジメに。自称「ダメ人間」な彼女の、悲しい生い立ち
【19】「無条件の愛」を与えられずに育ったあなたが、心の空洞を埋めるヒント
【20】東大に行け、官僚になれ…親に命じられた“責務”を全うしたエリートの「その後」
【21】毒親の呪縛を抜け出し「自分らしく生きる」ために、今日からできること
【22】僕は、どうせ無力で無能…。自己肯定感が「ない」子どもたちの苦悩
【23】虐待する親によくある4つの特徴。なぜ彼らは子どもに手をあげてしまうのか?
【23】虐待されている子は、なぜ傍観しているだけの親を「悪くない」と思うのか?
【24】「自分は親のようにはならない」と思っていても、結局同じことをしてしまうわけ
【25】うちも、もしかして…?「毒親」と「健全な親」を見分ける決定的なポイント
【事例1】鬱の母と、子に頼る父。毒親と共依存していた彼女が、親子の縁を断ち切るまで
【事例2】気づけば、3度目の離婚。彼女が「ダメンズ」ばかりを選んでしまったワケ
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