「毒の連鎖」を断つ方法
みじめで辛く苦しい気持ちを回避するために、無意識に自ら成功から遠ざかる選択、幸せから遠ざかる選択をし、将来の可能性や希望を潰してしまっている人をこれまでたくさん見てきました。
こんな風に、親が子どもにフラストレーションから生じた競争心や嫉妬心で子どもの足を引っ張ろうとする行為は、子ども自らが可能性を閉ざしてしまうなど、子どもの将来にわたってネガティブな影響を及ぼします。
もしもあなたが、仲良くしたい友人や愛する人に対してもついつい、
- 負けてはいけない
- 勝たなければいけない
- 正しいのは私の方だ
といったように勝ち負けを競い合ってしまったり、子どもが成長していくことに脅威を感じて思わず足を引っ張りたくなってしまったりしているのであれば、それは毒親からの呪いの連鎖に取り込まれている可能性が高いといえます。
そういう呪いの連鎖から抜け出すためには、まずは身の回りをよくよく観察して、
- あるもの探し
- 安全や安心を感じられるもの探し
- 感謝できるもの探し
- 信じられるもの探し
を徹底的にしてみてください。
それと、「与えられなかったもの探し」に時間や労力をかけるのではなく、「与えられるもの探し」に時間や労力をかけ、実際に「与えてみる」のもいいでしょう。
大切なことなので繰り返しますが、「心に空いた穴」の責任を誰かに転嫁したり、埋めてもらおうとしたりするなどして現実逃避を試みても、「心の穴を生み出している原因」を解決することからは離れるばかりで、余計に穴を大きくしてしまいます。
毒親が解決することから逃げた「自分の心に空いた穴の原因と真正面から向き合うこと」以外に、心の穴を埋めることはできないし、それが「毒の連鎖」に終止符を打つことになるということは心に留めておくといいかと思います。
次回の『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』は2021年9月8日公開予定です。
【連載】『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』
【1】「生きづらさ」の根本にあるものは…?私の幸せを阻む「毒親」の呪縛
【2】私は「毒親」育ちだったのか?いま、生きづらさの原因を考える30の質問
【3】親の不仲も不機嫌も「自分が悪いせいだ」と思って育った、毒親育ちの人へ
【4】毒親に言われ続けた「あなたのため」。その支配から抜け出すための、はじめの一歩
【5】わけもなく不安になる。毒親育ちが無意識の苦しみを手放すためのワーク
【6】人が怖い、居場所がない、価値がないetc…毒親育ちの持つ悩ましい感覚
【7】私は何をやってもできない人だ。毒親育ちの悩ましい思考の手放しかた
【8】だから僕は、人が怖い。毒親育ちが「生きづらい」人生から抜け出すまでの道のり
【9】離婚したのは、僕のせい?「親の離婚」で傷ついた心の癒し方
【10】それって本当に子どものため?親の「責任」と「過干渉」のボーダーライン
【11】家庭内につくられたヒエラルキー。子どもを弱者に仕立て、支配する親たち
【12】対人関係がシンドイ。側から見ると順風満帆な彼の人生が“難あり”なわけ
【13】支配的な父親に従ったエリート役員の人生が、中年期に危機を迎えたわけ
【14】父親のDVは家族だけの秘密。なぜ毒親家庭は崩壊していくのか?
【15】愛情と苦痛はワンセット。大人になっても抜けない毒親育ちの思い込み
【16】いい親子関係を築けなかった子は、友人関係や恋愛でつまずきがちなのか?
【17】親に“いい子”の期待を押し付けられた子は、なぜ人生につまづいてしまうのか?
【18】家族のからかいがイジメに。自称「ダメ人間」な彼女の、悲しい生い立ち
【事例1】鬱の母と、子に頼る父。毒親と共依存していた彼女が、親子の縁を断ち切るまで
【事例2】気づけば、3度目の離婚。彼女が「ダメンズ」ばかりを選んでしまったワケ
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